すごい名前の下剤、その名も「ムーベン」
これは内視鏡検査をしたときのはなしです。
内視鏡検査。大腸とか直腸をカメラでみたり、組織とったりする、平たく言うと、お尻からカメラ入れるやつです。
なぜ内視鏡検査をするに至ったのかというと、お腹がぐちゃぐちゃに壊れたから。激痛につぐ激痛と下し続けるお腹、最後にはお尻から血が出てきた。性別によるあれこれで毎月のように血は見ていたけど、そこから血が出たのは初めてだな~!ということが起こって「これだけ痛かったら血も出るよね…うふふ…」と思ったのを覚えています。うふふはいま付け足しました。マイルドな感じにしようと思って
もうだいぶたって痛みが思い出せないくらいになったので大丈夫だけど、お腹が痛くて死にそうなときは死にそうすぎて脳が停止した。水分だけ……摂取を……こういうとき……こういう……ポカリ……ポカリだ……スウェット……とコンビニに買いに行ったら、セブンイレブンのアプリが開始の日だったらしくて、アプリの説明を静かに聞いてポカリスエットを購入した。ちゃんとダウンロードしました。いまはハンバーグが無料でもらえるクーポンが発券されています。
粉を買っておくと場所も取らず便利
というか腹痛の猛威がすごくて、腹痛の粋を超えて歩いても痛い、寝ても痛い、座っても痛い、痛いときが全時間で少なすぎてそんなに痛いのが持続することあるのって白目むいてた。木曜の夜に痛くなって、リモートで仕事してるんだけど、金曜も仕事がみっちりつまってたから白目むきながら仕事してた。それ以外は死んでた。
お腹の痛みがちょっとましになった日の朝イチ、ほんとうの意味での朝イチ、受付開始時間に病院に電話して予約をとってもらった。日曜日もやっている病院素晴らしい。多めに払います。受付のお姉さんの声が優しすぎて電話を切ったあとに静かに泣いた。痛みはひとを赤ちゃんにする……
あとその病院が本当にいい病院で、ここにお金を落とすぞ!と決意するくらいよいお医者さんだった。はじめて病院に対してこんなに好印象を持った。お腹を触診されたり、採血されたり、お尻に綿棒をちょいっと入れられたりした。盲腸の確認と、血の検査と、菌の培養による検査です。採血のときに、「血管が細くて……深い……」とかなり看護師さんを唸らせてしまって申し訳なかった。どうやったら血管太くなって浅くなりますかね?ダイエット?筋トレ?圧?圧力?とか色々聞いたけど全部笑って無視されて、これからも苦労するよぉ~~って言われた。努力でどうにかならないのか?血管の太さ
そう、ネタバレするとO-157だった。ベロ毒素。一瞬はやくにんげんになりた~い!が頭をよぎらなかった?それはベムです。
先生、結果がわかってすぐ電話をしてきてくれた。なぜなら、O-157がでると病院は保健所に連絡をする法律があって、その後、保健所からわたしに電話が来るからです。O-157はなった後も大変。でも保健所のお姉さん方も優しくて優しくされるのが好きなわたしは嬉しかったです。
あと病院の先生から「O-157でした。」って言われた瞬間に「聞いたことある~~!!」って返して完全に馬鹿だった。腹痛で脳の細胞死んだのかもしれない。
一番話したかったことからどんどん脱線していく。脳の中が常にこういう感じなので毎日交通整理のおじさんが頭の中を駆け回っていて大変苦労かけます。その苦労を生み出しているのもおじさんを生み出しているのもわたし!
ええ、内視鏡検査の話です。
内視鏡検査をするには事前準備が必要で、お腹というか大腸直腸を空っぽにしないといけないので、検査前日の夜8時から検査まで何も食べてはいけない。ただしお水とお茶はOKという、普通の生活をしている人だったら空腹でしんどいだろうなあというような感じ。あとこの話をしたらスローセックスの前じゃん、と言われて新しい知識がついた。
新しい知識のせいで全部はなしが飛ぶところだった。とりあえずおなかを空っぽにする必要があって、そのために錠剤の下剤と、液体の下剤が処方されるのね、錠剤の下剤は寝る前で液体の方は朝の8時位から二時間かけて飲んでくださいって言われる。
その液体の名前が「ムーベン」ちょっと月刊ムーっぽいフォントのやつです。
このムーベンが本当に強敵でやばかった。もし次に内視鏡検査をするのであれば、ムーベンだけは拒否したい。錠剤を飲み続ける方式でいいからそれにしてほしい。
ムーベンの味、ポカリに近いみたいなことを言われるんだけど、全然違う。ポカリに謝ってほしい。ムーベンはムーベンの味。結構しょっぱい真面目に美味しくない味がする。本当に飲むたびに吐く直前のくるしさが襲ってきて、くるしすぎて全然飲めなくて、飲めませんでしたって病院に連絡するか悩むくらい美味しくなくてどうしようかとおもった。いやなんか味と匂いが吐き気を催す感じのすごい飲み物で、飲みながら色々検索したんだけど、意外とみんな飲みきった!みたいなことを言ってて、呆然とした。こんな飲み物を飲むくらいならグリセリン浣腸をしてほしい、とずっと思ってた。本当にだめ、人間が飲む物として成立していない。腸に直接流し込んだほうがいい。ムーベンに対してむちゃくちゃ悪口を書いてしまった。下剤に悪口を……
わたしは、内視鏡検査前にお腹をぐちゃぐちゃにしたせいで、固形物を全然摂っていなかったから、寝る前に飲んだ下剤とムーベンちょっとと冷たい水で、腸のなかをからっぽにできたけど、普通に生活してたらムーベンを飲み切る必要が出て本当に無理だと思う。地獄にムーベンを延々に飲み続けなくていけないところあったら嫌だな。
で、どうかにムーベン地獄を通過して、病院に行ったわけです。
お尻のところに穴があいている不織布みたいなズボンと丈が長めの上の服を渡されて、パンツなしで履いてくださいって言われる。上は下着とかとらないで長袖の上から羽織るのでいいって言われた。
お尻のところにあいている大きな穴を隠すのに特化している上着。世界には色々な上着がある。
そうそう、 着替えたあとに点滴をされるんですよ。なんだっけな、下剤による脱水を予防するのと、カメラを入れる前に鎮静剤をいれるための点滴をするんだけど、ここでも血管の細さが話題になって、腕からじゃなくて手首の血管(手首のほうが痛い)から点滴を入れることになって、そこでも死にそうになってた。
看護師さんたちが、あ~この子この子!この子か~!本当に細いわね~!って大盛り上がりで、話題提供ができてよかったです……って思った。血管を太くする方法をぐぐっておく必要がある。
実際に内視鏡検査をされてるときの記憶は殆どなくて、鎮静剤いれるよ~、は~い、で気がついたらほとんど検査終わってて、あなたの腸はこんな感じ~出血してるね~って最後の三分くらいぼんやり自分の腸をみて、終わった。
内視鏡検査自体は全然痛くなかったし怖い思いもしなかった。もしかしたら、前段階で、ムーベンとか点滴でぐったりしてたから余計にそう思うのかもしれない。
内視鏡検査の結果は全然問題なくて、完全にO-157のせいだった。
そう、O-157になると、飲食店のひとは働けなくなるし、外でトイレに行ってると消毒しないといけないし、発症日の10日前くらいまでの食事を書き出す必要が起こったり、検便(保健所からキットを送られてくる)を二日行って、保健所に自ら提出しに行く必要などが起こるので、気をつけてね。あと内視鏡検査は腸の組織をとって検査したりしたので2万円近くして本当に打撃がすごい。
牛肉はちゃんと焼いて、生野菜はちゃんと洗おうね。あとヤクルトとか飲んどこ。そういえば、ヤクルトはちびちび飲まないで一気飲みする飲み物らしいよ。無理じゃない?